夏の旅のはじまり

ひとり旅をしてきた話。

私はひとり旅の大愛好家ではないが、行きたい場所に行きたい時に行くことを心掛けているので、「今!すぐ!行きたい!」と感じたら荷物まとめてひとりで電車に乗る。

旅先では基本的に宿や静かな街並み、そして自然を楽しむので、所謂観光はあまりしない。ひとりでしかできないこと、例えばどこへ続いているのかわからない細い路地に入ってみたり、誰もいない川で冷たい水に足をつけて本を読むといった、冒険と慰労の旅をする。

 

 

Tシャツでも暑い季節。綺麗な川のほとりでぼーっとしたいという動機から、今回の旅行計画は立ち上がった。出発の数週間前から仕事のようにきっちりと下調べを行い、電車・バスの時間や効率よく回るルートを事前に調査してテキストファイルにまとめ、旅のしおりとした。時刻の10分前には駅についておくという、エエカゲンな私らしからぬ素晴らしい立ち回りで、大きなトラブルなく旅程をすべてクリアし帰還。立派な大人だなあ。

 

今回の旅のお供は「ペンギン・ハイウェイ」。
当時読みかけだった作品は「金閣寺」(三島由紀夫)と「たけくらべ」(樋口一葉)なのだが、一人旅にはちょっと暗いし話が重い。明るく朗らかな旅を願い、出発の4,5日前にペンギンを取り寄せた。近所の本屋には売ってなかったのでお取り寄せ。届いたペンギンは思っていたより分厚い。結果半分も進まなかったが、この旅中期待以上に楽しませてもらった。

 

目的地に着くまでの3時間ほどの道のりには特に面白いことも事件もなく、スムーズに数々の乗り換えをこなしその地域に入った。いや、一回事故っていた。

特急からローカル線に乗り換えるときに、まさか駅にICカードをピッとするアレが無いと思わず、一回乗換駅で改札を出て入りなおさないといけなかったところをそのまま通り過ぎてしまい、電車を降りるときに「切符持ってねえよ!」とあたふた。改札を一回出なきゃいけないなら、駅をそういうつくりにしておいてほしい。乗り換えの動線に改札置くとかさ、藤沢駅のように。

その地域の多くの駅には改札がない。
改札が無い場合、ワンマンで運転している車掌さんが、電車を降りる客の切符をチェックする。切符を持っていない場合その場で支払うこともできるが、ぴったりの金額を下車前から用意しておかないと非常に迷惑になる。

私は間違いから学べる人なので、次からは気を付ける。