朝ご飯は、駅から少し北に行ったところにある素敵なカフェで食べた。
私はスコーンを頼んだのだが、他にもゆで卵、スイカ、バナナがついてきて、とても可愛らしいプレートで来た。あんなにかわゆかったプレートの写真がまさかのブレブレで、ここに載せられないことが悔しい。が、スコーンはサクサク&しっとり&ほどよく甘くてとても美味しく、コーヒーも香りが良くて最高だったことは記憶にしっかり残っている。
店の内装はシンプルで落ち着きがありながらもお洒落で、トイレまで可愛い。お店のお姉さんも、いわずもがなお洒落。いつか窓際に本が並ぶこの素敵空間を再訪して、ひとりでゆったり読書して過ごしてみたいと思った。
腹ごしらえがすんだら、まずは昨日行けなかったところを観光する。
行けなかったところその1は、千光寺の麓にある艮神社。うしとらじんじゃ。
樹齢900年超えの楠を見たくて訪れた。900年超えの木の威厳は体の大きさだけじゃない。その身に別の生命も住まわせる、器の大きさよ。伸び伸び広げる腕にびっしりと草と苔が生えている。苔が乗っている木はよく見かけるが、あんなにもうもうと腕に草を生やして悠然としている木は見たことがない。あの古木の木陰に入った皆が、この偉大なお姿に感嘆を漏らしていた。
神社を出たら、猫の細道にある喫茶店へ。
昨日素敵なお庭を見下ろす窓際の席に一目惚れしてから、その風景が何度も頭に浮かんだ。もうこれは恋。
緑茂る庭を通り抜け、お店の中に入る。和風な外観からは想像つかないような、洋風の家具が並ぶレトロな喫茶店。床の間には梟の置物がぎっしり。窓と反対の壁にはアンティークのバーカウンターと美しいスツールがあり、そのわきに置いてあるスピーカーからジャズがうっすらと流れている。
私たちが窓際に席を取ると、その隣の席に店のおじさんが座り、筆ペンで何かを書き始めた。窓の外の景色を描いているのかな~と思いきや、なんとも素敵な手書きのテーブルクロスを用意してくださっていた。梟の絵が描いてあるそのペーパーは、お土産として持って帰ることにした。
魅力的なメニューからなんとか選び出したみかんジュースとガトーショコラはどちらも絶品だった。
店の中を覗いても店の外を眺めても、店の天井を仰いでもいい景色。
店内には可愛らしい声でおやつをしきりにねだりながら自由気ままに徘徊している三毛猫がいる。店の外は植物の楽園になっている。天井には梟と龍の絵が書いてあり、大変癒される。
店のおじさんがみゃあみゃあ鳴くネコちゃんを抱きかかえて窓際の席に行き、二人で自撮りをしようとするのも見ていて微笑ましかった。
私が持っているすべての感覚が喜ぶような半日だった。